異世界BOTで逢いましょう

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 ああ、だるいな、と思った。  わたしは真面目な生徒だったと思う。無遅刻無欠席、授業で騒ぐこともない。  成績は中くらい。友達づきあいは狭く浅く。  ヲタク入ってるグループと、普通のグループの間でコウモリをしている。  目立たない存在だった。  居ても居なくても変わらない、と言ってもよい。  その日は全校集会があった。    いつもはなんてことない。  早く終わらないかな、と思いながら校長の話を聞き流す努力をしている。  ただ、同じような髪色と背格好で同じ制服を着た生徒たちが整列しているのを見たら。  なんだか、気分が悪くなってきた。  それは蟻の行列を見た感覚と似ていた。  全体としては意味があるだろう、しかし個として意味はあるのか。  一匹の蟻をつまみ上げたとき、ほかの蟻が困るだろうか。巣は壊れるだろうか。  きっと、なにも変わらない。どの蟻も気にしない。  自分が、その一匹の蟻だとしたら。  統計によれば、不登校の理由で最も多いのはいじめなどではない。  それは『なんとなく』。  理由のわからない、薄ぼんやりとした感覚だという。  確かに、そうとしか言えないものだった。  嫌なことがあったわけではない。辛かったわけでもない。     
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