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暇な大学生である俺は、友人の古川の家で、一緒にコンビニ弁当を食い時間を持て余していた。
「ああ、電球が切れていたな。」
古川が、先程ホームセンターで買ってきたLEDの電球を、エコバッグから取り出した。
「森田、面白いもの見せてやろうか。」古川は、電球を箱から取り出し言う。
「なんだ?」
あまり期待も出来ないが。
暇なので見ることにする。
古川は、電球のソケットに差し込む部分を、右手で包みこんだ。
すると、電球がパッと光る。
「ん?」
なんだ、これは?
「古川、そりゃ手品か?」
「いや、手品とかじゃないだけどね。俺、手から電気出せんだよ。」
「はあ?」
変な間が、広がる。
「えーと?なんだ、それは?」
古川も首を傾げて言う。
「まあ、超能力とかなのかな?」
「いや、聞いているのは、俺の方だろ。」
「中学の頃に出来るって気がついた。俺もよくわからない。まだ、誰にも言ってなかったし。」
「何故、今、此処でいうのさ?」
「いや、なんとなく。」
古川は、今度は、スマホをだした。
「こういうのも出来る。」
そう言うと充電器を差し込む場所に、指を当てた。
すると、スマホは、充電中になる。
「充電が切れそうなとき役に立つけど。」
「他に何か出来る?」
「意外と疲れるし。電子レンジなんかは、使えるほど電気は出せないし。」
「そうか。」
なんとなく、コメントに困る。
「人に言わなかったのは、気持ち悪がられるのが嫌だったのと、しょぼい能力だからな。お前は、細かい事気にしない奴だから、言っても大丈夫かなと。」
「まあ、他の人には、言わないでおくわ。」
「そうしてくれ。暇だったから、なんとなく教えただけだから。意味はないよ。」
しばらく、俺たちは、この能力を有効に使えないものかと考えてみたが、何も浮かばなかった。
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