3つの恋愛模様

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ソウマは店の奥に、笑顔で移動した。 「ムリヤリとは何ですか? ボクとヒミカは結ばれる運命だっただけですよ。キミのように一方通行ではありません」 「ああ、そう言うの、ストーカーに多いよね。自覚が無いって、本当に厄介だ」 キシもハズミも笑みを崩さない。 だが、二人の周囲には暗雲が発生していた。 しかしふと、店の奥にいるソウマを二人の目が映した。 「何傍観しているんですか? ソウマさん」 「えっ? 私ですか?」 「ソウマさんはどっちが正しいと思う?」 「えっえ~っとですねぇ…」 急に振られ、ソウマは軽く焦った。 「と言うか、ソウマさんは今、恋人いないんですか?」 「私ですか? …まあそうですね。いないと言えば、いませんね」 「えっ!? じゃあ片思いの人はいるってこと?」 急に二人の目に、好奇心の光が宿った。 「えっ? ええっ?」 二人に詰め寄られ、ソウマは壁に背と手を付いた。 「誰ですか? もしかしてマカさん?」 「なっ! ちっ違うよな? ソウマさん!」 「ふっ二人とも落ち着いて! というか、何故いきなり私の話になるんですか?」 「興味があるからです」 「おもしろそうだから!」 ソウマは困り顔でしばらく考えた後、口を開いた。 「…分かりました。二人の熱意には負けました」 「それではっ!」 「誰、ダレっ?」 「誰…とは言えません。そこは詮索していただかないと、ありがたいです」 キシとハズミは互いに視線を合わせた。 「ヒミカ…ではないなら」 「マカじゃないなら、OK!」 「そこは大丈夫です。マカもヒミカも、血縁者としか見えませんから」 二人の表情が明るくなった。 ソウマは深く息を吐いて、言った。 「…片思いはしています。それだけですよ」 「片思い! 長いんですか?」 「それなりに」
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