別れの日

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ビシッ!と指を突き立てると、彼はアハハと笑った。 アタシのオーバーなリアクションも、彼はにこやかに笑って受け入れてくれる。 そういう大らかで、優しいところが好きだった。 「…ねぇ、いっぺん聞いてみたかったんだけど」 「なに?」 「アタシのどこが好きなの?」 6年も付き合っていると、そういう恋愛初心者的な質問ができなくなっていた。 だけど今日は特別。 別れの日だから、今まで聞けなかったことが聞ける。 「ん~。感情がはっきりしているところかな。ボクは優柔不断なところがあるけど、キミはしっかりしているから。合っていたと思うよ」 「うっ…。たっ確かに」 アタシ達のことを知っている身内・友人達は、お互いの性別が逆だったら良かったのに、なんて笑う。 確かにアタシは女としては負けん気が強いし、彼は優しすぎるところがあるから…。 相性はピッタリだったんだな。 「じゃあキミはボクのどんなところが好き?」 「へっ!? そっそうね。…アタシが暴走しても、ちゃんと優しく受け止めてくれるとこ?」 「ああ、なるほど。昔っから言い出したらきかないところがあるからね。キミは」 「ううっ!」 改めてハッキリ言われると、傷付くなぁ。 「でっでも良いじゃない! 恋人はもう終わりなんだから!」     
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