<第18章>岡田の嫉妬

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<第18章>岡田の嫉妬

お盆明けの一週間で 岡田に仕事を引き継ぎ、 それから一月の間、 まゆこは仕事を休むことになった。 休み明けで対面した岡田が まゆこを人目見たとたん、黙りこんだ。 目も合わせてくれないので、なんだか不安になる。 まゆこは珍しく、自分から彼の正面に回り込んだ。 「久しぶり、岡田君。」 良く見ると顔が腫れていた。 せっかくの二枚目が台無しだし、かなり痛そうだった。 「あら、どうしたん?」 思わず触れようとした手を、さっと払い除けられる。 「ゴメンね。嫌やったんやね。」 まゆこは謝ると、別府土産を見せた。 「妹さんと一緒に食べて。冷蔵庫に入れておくから。」 と、プリンどらの箱を見せてから しまいこんだ。 無言の彼を良く見ると、 なんだかふて腐れた表情をしている。 いつもの彼ではなかった。 「・・・ねぇ、何かあったの?」 心配して尋ねると、 「まゆこさんこそ、何かあったんでしょ?」 と、言われた。 大分での出来事が、顔に出てるのだろうか? それにしても、彼にそんな 怒ったように言われる心当たりは、何もなかった。 「・・・いつの間にか、キレイになって。」 何だか悔しそうに言われる。 え?今、キレイになって、って言われた? まゆこは自分の耳を疑った。     
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