<第12章>まゆこの王子様

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<第12章>まゆこの王子様

まゆこは気恥ずかしくて 岡田が帰るまでずっと黙っていたが 心を決めて 『岡田君はうちの王子様です。』とラインを送った。 すぐさま 『俺は生身の男やで。』と返ってくる。 その瞬間、抱きしめられた感触と キスをされたときの、唇の感覚が蘇ってきて 身体の内側が、熱くなった。 特に、耳たぶにキスをされて 「可愛いよ。」 と囁かれたときの 頭が痺れるような感覚を思い出すと 恥ずかしくてたまらない。 でも、もっと欲しい。とも思っていた。 彼女には、それが何なのか理解できなかったが、 おそらく自分の中にあった“女としての本能”が 目覚めたのではないかと推測していた。 考えるのはやめて、寝よう。 彼女は携帯の電源をオフにして 横になった。
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