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<第18章>タクトの不安
そんなことも知らず、
その日もタクトはまゆこを訪ねていた。
ナースステーションに差し入れをしてから、
まゆこの病室へと向かう。
人の気配がする。
誰だろう?とそっと覗くと、50手前くらいの男と
まゆこが仲良く話していた。
タクトの心の中に、どす黒いものが湧き上がってくる。
彼はわざと大きな音でノックをすると、
「どうぞ」と聞こえ
入れ替わりで男が出てくる。
この病院の医師のようだった。
そこそこイイ男である。
病室に入ってまゆこの顔を見ると、
頬が上気している。
何があったのか?途端にタクトは不安になった。
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