<第18章>タクトの不安

1/1
前へ
/59ページ
次へ

<第18章>タクトの不安

そんなことも知らず、 その日もタクトはまゆこを訪ねていた。 ナースステーションに差し入れをしてから、 まゆこの病室へと向かう。 人の気配がする。 誰だろう?とそっと覗くと、50手前くらいの男と まゆこが仲良く話していた。 タクトの心の中に、どす黒いものが湧き上がってくる。 彼はわざと大きな音でノックをすると、 「どうぞ」と聞こえ 入れ替わりで男が出てくる。 この病院の医師のようだった。 そこそこイイ男である。 病室に入ってまゆこの顔を見ると、 頬が上気している。 何があったのか?途端にタクトは不安になった。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加