16歳 秋(1)

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 俺が女部長に振り回されてる間、クラスでは着々と文化祭の準備がすすんでいた。  先頭になって騒いでるのはもちろん浩介。といってもクラス展示の準備なんかは他の奴に任せて、自分は彼女とどう回ろうかとプログラム片手に当日のシミュレーションに余念がない。  もともとのお祭り男なうえに初の彼女とあってテンションMAXだ。 「な、隆也。飲食とゲームってさ、どっちから回ったほうがいいと思う?」 「さあな」 「さあなってなんだよ。おまえだって少しは考えといたほうがいいだろ」 「いや。俺、その日は休むし」 「は? 何で?」  浩介の目が丸くなる。  ま、そりゃそうだ。お祭りに欠席とか普通は考えられないだろう。  これは結構前から考えてた。    普段の俺は美紅と極力出会わないようにしてる。だけど文化祭みたいに校内を歩き回る行事だとどこかで鉢合わせてしまうかもしれない。  たまに見かける様子は前と同じようだけど、カズさんが言ってたみたいに心の中がどうかはわかんねえから、俺にはそうすることしかできない。  だからそのつもりでいた、けど。 「そんなことダメに決まってるだろ」  浩介ではない声に反対された。
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