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「神崎くん、すごーい」
「かっこいい。どうしたの、それ」
夏休みが終わってそのまま学校に通った俺はクラスの賑やかめの女子に囲まれた。仲のいい男たちも興味津々でよってきて結構な騒ぎになった。
もちろんみんながみんな羨ましく思うわけじゃなく、真面目なやつらの告げ口に慌ててやってきた担任に職員室に連れていかれた。
すぐにリエさんが電話で呼び出されたが、リエさんは教師たちの苦虫をかみつぶしたような表情にもお構いなしだった。
「髪の毛が一筋金色だからって何か困ります?」
「いえ、ですから、お母さん。ほかの子供たちの手前もありますし、隆也くんだってこんなに目立ってしまったらいじめとかの対象に・・・」
「いじめられる? この子が? そんな理由で? 隆也、あんた、そんな心配あんの?」
「多分、ない」
「だよねー」
さすがいっぱい遊んできただけある。教師なんかに負けるわけがない。
カラカラと笑い飛ばすリエさんが俺はとても頼もしかった。
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