13歳、秋

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13歳、秋

 中学でも俺はやっぱり目立った。  もともと背は高い方だったが、入学して半年で10センチ近く伸びた身長は学年でもトップクラス。  髪の毛も明るめのアッシュブラウンがこの頃のお気に入りで、街を歩いていても中一と思われたことは一度もない。  学校では相変わらず派手めの奴らに囲まれて、普通の奴らには敬遠される。上の学年がわりと大人しい年で先輩に目をつけられるということもなかった。  入学当初は気合いの入っていた生活指導も、何度言われても聞かない俺と何度呼び出されても笑い飛ばすリエさんにすっかり諦めていた。 「あんたが勉強しないのは勝手だけど、人の邪魔はするんじゃない」 というリエさんの教えで授業中に騒いだりはしなかったから、放っておけば害はないという感じになってたらしい。
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