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カーテンを開けると、雪景色だった。 「……なんで?」 呟くと、窓硝子が更に曇った。 昨夜の空は、雪のひとひらも落としそうになかったというのに。 あの、触れられそうなほど凍てついた夜気のせいだろうか。 昨晩は早く眠ったから、それから今朝までにここまで降り積もったのかもしれない。 いや、だとしても。 「………」 雪って…この時期にこんなに降るものだったっけ? そっと、壁のカレンダーに眼を当てる。 年も明けない12月、街中にはまだ聖夜にまつわる飾り物がそこかしこに見てとれた。 その中で雪が降るなんて、少なくとも私には初めての経験だ。 一瞬、ホワイトクリスマスという素敵な文句が浮かんでくる。 けれどそのロマンティックな名称は、再び外を見た私の中でどさどさと雪に埋もれていった。 なんだか緊急ニュースにでもなりそうな光景だ。 この積雪量、“ホワイト” の限度を超えている。
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