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<第1章>学生時代
高校生時代は、あまり思い出したくない。
村上美穂子は、地味で教室の隅にいては
休み時間のたびに本を読んでいるような子供だった。
友達もほとんど居らず、
団体行動は苦手。
どうしてもの時は、余ったところに人数合わせに入れてもらい
邪魔をしないよう
ひっそりとやり過ごしていた。
目が悪い美穂子は、
窓際の一番前に座らされていた。
彼女のクラスは年に1回
最初の出席番号順に、並んだ座席に慣れたあとで
夏休み前に席替えを行う。
その時も、彼女は偶然一番前の同じ席を引き当てた。
誰が隣に来るのか?
気が散るような人だと嫌だな・・・と思っていたら、
隣は何と、クラスでも人気の
岡田君だった。
最初に彼を見た時、クラスがざわついた。
ヨーロッパ系のハーフだと、みんな思っていた。
『日本語、通じるのかな?』と言ってる女子もいたが、
意外にも彼は、純日本人だった。
彼の名は、岡田拓人。
騒々しい人ではないけれど、
別の意味で、美穂子は気が散る事になる。
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