1.はじめての労働

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正直、女子高生なんて使えないと思っていた。 女好きの店長もしくは鼻の下を伸ばした本部の幹部連中が、客寄せに綺麗な子を置物のようにカウンターに立たせておこうという魂胆だけで採用したのだろうと。 けれど、予想外に倫音は物覚えが良く、体力もあった。 何より、自分の指示を寸分の狂いなく実行してくれる真面目さが好ましかった。 「リーダー、次は何をすれば良いですか?」 「うん、『リーダー』はジャニーズの某グループみたいだから名前で呼んでいいよ。返却は溜まってからでいいから、カウンターで貸し出し業務に入ってくれる?」 「かしこまりました、本間さん。いらっしゃいませー!」
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