1.はじめての労働

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「いらっしゃいませー!」 涼太、秋光、倫音の3人でハモる。 やってきたのは、NAMIYA会員の中ではちょっとした有名人の『昼間からAV大量レンタルおじさん』だった。 緊張した面持ちでバーコードリーダーを握りしめ、倫音は覚えたての貸し出し業務に取りかかる。 「『パイパニック』1点、『マゾリックス』1点、『ムスコ・オブ・ゾロ』1点……」 「うん、天崎さん。スーパーのレジじゃないから、タイトルを復唱するのは止めようか」 それでも、真摯に仕事に取り組む姿勢を見せる倫音に涼太は好感を抱かずにいられなかった。
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