<第6章>恋慕

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<第6章>恋慕

平井は音成まゆこの回診に行った時、 顔を見た瞬間 本人と確信した。 約28年ぶりに再会した音成まゆこは、 平井の記憶より痩せており、 洗練されていた。 量の多い黒髪を、 注連縄のような三つ編みにしていた面影は無く、 涼しげな目元と、ぽってりとした唇が ようやく特徴を残している。 すっかり美しくなった彼女を見て、 平井は忘れていたときめきを、思い出した。 とにかく彼女に再会できて嬉しかった。
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