<第7章>彼の中の闇

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<第7章>彼の中の闇

平井の思惑通り、音成まゆこは独身だったが 同じ病院に勤めている、 15歳年下の男に恋をしていた。 “15歳年下の、若い男。” 二年前の傷口が、突然開きだし えぐられるような痛みを伴った。 自分から妻を奪った男と、 音成まゆこの彼が平井の中で重なる。 どす黒い渦が平井の心の中に生まれるが、 彼女の前では おくびにも出さなかった。
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