<第25章>今夜は離さない その8

1/1
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ

<第25章>今夜は離さない その8

平井と身体を重ねた美穂子は “今までの男達は、いったい何だったのだろう?” と思っていた。 両手では余るが、 片手では足りない経験人数の中 岡田に抱かれた時が、一番上手だと思っていたのに。 「ああ。」 彼女の中に平井が入ってきた時、 美穂子は思わず吐息を漏らした。 彼は焦らすように、身体をなじませたあと 騙し騙し動き始める。 「・・・先生、うち溶けそうや。」 途切れ途切れに美穂子が囁くと、 彼は唇を重ねてきた。 夢中でキスを返す彼女の脚が、 彼の背に絡みつく。 内側の奥まで、彼に満たされている。 彼女は幸せな気持ちになった。 平井は熱くなった身体を貫くと 慎重に動いた。 なるべく我慢しながら、 ゆっくりと動くと 彼女の両脚が身体に絡みつく。 「もっと奥までちょうだい。」 そう、悩ましく美穂子に言われて ぐっと深く入り込むと 彼女の身体が震えだし、奥の方から 締め上げるように痙攣する。 「うち、もうダメや。」 涙を流しながら言われて、 ぎゅっと抱きつかれた。 彼女は果てたようだった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!