ちょこっと待て!

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 ふわりと両側から両腕が伸ばされる。その片方には恒例の気合の入ったパッケージが。 そのまま俺の首を抱き締めるかのように腕を絡めた。 おいおい?まるで女の子みたいじゃないか。 …と思った次の瞬間、俺の鼻先にあったチョコの箱が顔の前を掠めて横に消える…。 「くたばれ乙女の敵!」  ぐ!  入ってる!入ってますってお嬢さん! 「ギ、ギブ、! ギブギブ…」  腕をタップしてようやく声を絞り出す俺だったが… 「この期に及んで何がギブミーチョコレートだこのやろ―!」  今年俺が受け取ったのは甘くてほろ苦いチョコではなく、考えが甘くて苦しいチョーク(首絞め)だった。
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