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「いや~こんなことを言うのは申し訳ないんだけどね?あ。別に僕が悪いと言ってるわけではないんですよ?でもまあ、世間の目もあるし、今は何・・・?モンスターペアレントとかいるじゃないですか。そういうトラブルを起こさないためにね、馬淵先生みたいな新米教師に言っているわけですよ。あ、これは僕の本心とかじゃなくて常識として言ってるだけなので気を悪くしないでね」
校長の話が始まってかれこれ30分弱。そろそろ立ってるのも疲れてきたし、トイレにも行きたくなってきた。あーあ、今日は定時で帰る予定だったのに残業確定だな。奥さんにメールしなきゃ。また機嫌損ねるだろうな・・・
「・・・と、いうわけだ。ちゃんと聞いているかね馬淵先生」
長ったらしい意味のないお説教もようやく終わりそうだ。
「はい。つまり、生徒とあまり親しくすると誤解を生むからやめろ、上下関係も教育の一環だから敬語を使わせろってことですよね」
「・・・あ、ああ。分かってるならもういいんだ。下がりなさい」
「はい、失礼します。以後気を付けます」
(分かってるも何もガキには興味ねえしそれ以前に俺には奥さんと娘がおるわ!しかも上下関係とかこれからの世の中必要なくなっていくだろ!これだから頭の固いジジイは・・・)
生徒からは優しい先生と思われているみたいだが、心の声が汚い自分はやっぱり人間なんだなと実感する。
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