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絶賛、お仕事中!
「ほらほら、早くしないと終わらないよっ!」
こんな寒い中、元気に声をかけてくれる女の子。
彼女は郵便物を届ける仕事をしているボクの上司だ。
まだ年齢はボクとそれほど離れていないけれど、雪国に慣れていないボクにも懇切丁寧に指導してくれる、信頼に置ける人物なのだ。
「あの……、先輩、一ついいですか?」
しかし、そんな彼女にも唯一の欠点がある。
「うむ、可愛い後輩ちゃんの質問はいつでも大歓迎ですっ」
むしゃむしゃと口を動かしながらそう言ってくれる優しい先輩。
ああ、なんて良い人なんだろうと頬が緩んでしまいそうだけど、今日こそボクは彼女に告げようと決意する。
「仕事しながら食事するの、止めませんか?」
……言った。ついに言ってしまった。
「ほえ?」
しかし、先輩はなにを言われたのか分からないという風に、首を傾げる。
ホットドックのケチャップが付いたままの顔は子供のようで何とも愛くるしい……じゃなくて!
「先輩! いつも売店で何か買ってくるじゃないですか! そんなんじゃいつまで経っても仕事終わりませんってば!」
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