喫茶店の水曜日

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喫茶店の水曜日

「えっと、あの、ありがとうございまひゅ」 うわっ噛んだ。めっちゃ恥ずかしい!ダメだ、頭真っ白だ。 「ふふっそんなに緊張しなくてもいいわよ?大丈夫?」 「はい!だっ大丈夫であります!」 大丈夫でありますってなんだ?僕、何言ってるんだ?いやいやそれより、この状況が飲み込めない。 あの後、僕は彼女に傘に入れてもらい公園近くのお洒落な喫茶店に連れてきてもらっていた。 うん。1人じゃあまず入らないな、ここ。 「コーヒーにする?紅茶の方がいいかしら?」 「あっあの、えっと、その、こっコーヒーで」 彼女は僕に注文を聞き慣れた感じで店員さんにコーヒーを頼む。 その横顔につい見惚れてしまう。まつ毛長い・・・ 「今日はお昼から雨予報だったから傘持ってきててよかったわ。他の日は車だから傘持ってないのよね」 彼女はそう言って優しそうな笑顔を向けた。 うわぁ、直視出来ない。近くで見るとびっくりするくらい綺麗な人だ。心臓が口から出そうでヤバイ。 「す、すみません。うっかり傘持ってくるの忘れちゃて・・・改めてありがとうございました」 僕は下を向いたままそう言って小さくなった。 「ふふっ、どういたしまして」     
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