プロローグ

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 ディの嬌声に思わず目をやると、彼女は挑発的な表情を浮かべていた。 (ぐぬ、ぐぬぬぬ) 「……ええい、ままよ!」  杖と、弓と矢と、そしてゼロックは、閑静な草原に高く高く放られる。  どこまでも青々と広がる空に、大きな雲が一つ、ゆっくりと流れていった。                              〇 フレイお手製『夢以外ならなんでも詰め込める夢のような鞄(ルビはたぶん、アンリミテッドルールバッグ)』に改獣を押し込むと、少し離れたところで昼食を取り帰路に着いた。往きと同じく約三時間をかけレブルニーに戻り、時刻は午後四時。酪農を主産業とするため夜が早いレブルニーでも、王都側である北通りは青果や雑貨、ファストフードなど様々な露店が並び、まだまだ活気に満ちていた。   一行は騎士団に報告する前にギルドに寄ろうという話になり、露店で子トカゲブタの串焼きを買い、並んで食べ歩く。 (丸っこいトカゲがそのまま串に刺さってて、最初はグロくて食べれなかったけど、もうそんなこと感じなくなったな。慣れって怖い。まあおいしいからいいけど) 「おいしい?」リュウはフレイに訊く。     
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