日常

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部屋に着き、静かで穏やかな時間を過ごす。無理して笑わなくても良くて、自然に笑える。暖かい場所。 「唯さ、前より料理上達したね」 人を少し小馬鹿にするように軽く笑って隼人が言う。 「そうかなぁ。でもそうかもしれない。最初はほんと酷かったもんね…隼人様様ですね~?」 こちらも少し皮肉めいた笑いを浮かべ答えた。料理はあまり、というかお世辞にも上手いとは言えない私だったが、大学生になって隼人が一人暮らしし出したこともあり時折こうして彼の部屋に来ては一緒に料理をしたりするのだ。 そのおかげか、上手い。とまではいかなくても普通に美味しいレベルにはなることができた。 「そんな褒められ方しても嬉しくないんだけど!もー。」 そう言いつつも照れくさそうにする隼人に安心感を覚える。 隼人は思っていることを伝えてくれる方ではあるが、それ以前に考えていることが顔に出やすいのだ。多分、浮気したらすぐに気づけるだろう。 「まあ、隼人くんはそんなことしないもんね~?」 「ん?なんのこと?」 「なんでもないよ。さ、片付けて一緒にテレビでも見よう!」 そう、私は隼人のことを信頼しているーーー…。
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