Sweet xxx……

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「美月さまの好物のビーフシチューですよ」 「やったー」 あたしは、小さい頃から冴子さんの ビーフシチューが大好きだ。 デミグラスソースから作る本格的な味わいは どんな一流店のものにもひけを取らない。 「準備をしますので、手を洗って来てください」 「はーい」 「あ、うがいもお忘れなく」 「分かってます」 まったく…いつまでも子供扱いだ。 うがい、手洗いを済ませダイニングに行くと テーブルの上には、ジノリのお皿に盛られた ビーフシチューが置かれていた。 辺りに漂う、濃厚なソースの香りが 食欲をそそる。 「いただきます!」 ゴロゴロとした塊のお肉は スプーンの先で触れただけなのに ホロリと崩れる程柔らかい。 口に含めば、あっと言う間に蕩けていく。 デミグラスソースの凝縮されたコクと旨味が 咥内いっぱいに広がる。 「美味しい。  やっぱり冴子さんのビーフシチューは  世界一よ」 あたしの言葉に、嬉しそうに目を細めた。 「そんなにお褒めいただけるなんて  頑張った甲斐がありました。  そうだ!美月さま。  これを真柴さまに作って差し上げたら  如何ですか?」 「ビーフシチューを?  ―――――あたしが?」
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