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「大ヒットに、か~んぱ~いっ!!」 ビール缶をカンと合わせ、喉を潤していきました。 やはり一仕事終えた後のビールは格別でした。 「でもやっぱ作詞の才能あるね、さすがだわ~」 「そんなことないよ。……なんで、作詞辞めちゃったの?」 酔うと饒舌になるのを知っていたので、聞いてみることにした。予想通りご機嫌な様子で話してくれた。 言いたくないので要約すると、つまりは"面倒くさくなった"らしいのです。 純粋に歌と書くことが好きで作詞を始めるも、低迷するだけの日々。そんな時私と出会い、始めは作詞への楽しさを少し取り戻したものの、私への嫉妬心を抱き始めたのだと言いました。 「……そうだったの」 「ま、今はパートナー……一心同体って感じだけどね!それより、授賞式のコーデ一緒に考えて~」 「うん。……あ、これなんてどう?大人っぽくて素敵」 「いいね~!あ、こっちもいいな~!」 授賞式まであと、二週間の夜でした。
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