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 私、夜美(やみ) (あかり)と申します。 突然ですが、私の人生終わりました…………。 ――バレてしまったんです、私の×のこと。  その頃私は夢を追い続けるフリーとして、バイトと作詞の忙しくも充実した日々を送っていました。子供のころからの夢を叶えるべく、毎夜寝落ちするまで必死に書いては消し、口ずさんでは考えての繰り返しでした。 そんな時、図書館で作詞についての本を探していると、ふと手が重なってしまいました。 ――それが、夢が悪夢に変わった瞬間だったのです。  相手も、私と同じように作詞家を志す一人で、人見知りが激しい私でも不思議とすぐに親しくなりました。一人が好きと言っても心のどこかでは寂しがっていたのかもしれません。それからはSNSでやりとりをし、図書館に集合しては、お互いの悩みやアドバイスをするようになりました。たまの休憩に一緒に遊びに行くこともありました。 あんなに誰かと一緒にいたのは初めてでした。 楽しかったなあ。  親しくなって半年が過ぎ、そろそろカーディガンを羽織るまいか考え始めるその季節。 私達は、あるコンテストに応募する作品を図書館で考えていました。
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