プロローグ

6/6
104人が本棚に入れています
本棚に追加
/493ページ
震える手で紙を剥がして振り返ってみれば、雪よりも冷たい視線が槍の如く私に突き刺さっていた。 教室に設置された暖房が稼働し始めるが、冷え切った教室を暖めるにはあまりに遅すぎた。 ──佐藤一縷。 このクラスの学級委員長にして私の大親友。 眉目秀麗で成績優秀であった彼女は、一週間前の水曜日に校舎の屋上から転落して死亡したのだ。
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!