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「ん……」
ふかふかのベッドの上で、少女は目を覚ました。
目を擦りつつ、直ぐに上体を起こした彼女だったが、直後に強い脱力感に襲われ、再びベッドの上へと倒れんだ。
寝転がったままに、彼女は首だけを動かして室内を確認する。
かなり広い部屋だが、家具は極端に少ない。彼女の乗るベッドを除けば、部屋の中央にぽつりと置かれた小さな椅子が一つあるだけだ。
壁掛けの燭台の上で揺れる蝋燭の灯りが、そんな見知らぬ室内を煌々と照らしている。
窓の外は、月の灯りも無い闇の世界が広がっている。
「ああ、そうか……」
そこで漸く、彼女は自身が此処に居る理由を思い出し、片方の腕で自らの目許を覆った。
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