第四章

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   他の魔物達に付与された『絶対』の能力の解除。それはつまり、全世界に散っている魔物の統率者達の力が大幅に削減されることを意味する。  能力を付与されていたからこそ、簡単に覇道を歩むことの出来た彼等が、その恩恵を失ってしまえば、今後、彼等に対して人間達の反撃が通用するということになる。  彼等の攻撃を受け止めることも、彼等に攻撃を加えることも可能となる。人間と魔物が、真に自らの力のみで闘うこととなるのだ。 「……成る程、やはりラダムント様の仰った通り、貴方は『魔王』で相違無いようですね。魔物でありながら人の姿を取り、魔物達に加護をもたらす者でありながら、気紛れにその加護を消失させようとしている。傍若無人なその振る舞いは、正しく『魔物の王』と呼ぶに相応しいわ」 「褒められているのか、それとも貶されているのか……。どちらにせよ、傍若無人と言われて悪い気はしない。我は、何より自由でありたいのだからな」  
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