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第5話 清掃・前半戦
午後三時過ぎに授業が終了すれば、あとは清掃、部活動という流れになる。清掃は当番制になっており、今週はキヨミの班の割り当てだった。
朝、担任の星野が話していたように、今日は半年に一度のワックス掛けがある。学期最後の大掃除に行なうのが慣例だが、来週、教育委員会が視察に来るため、前倒しにしたのだろう。
ワックス掛けにしろ、部活動にしろ、ジャージに着替えねばならない。憂鬱な気分を引きずりながらも、更衣室へ行こうと、ヨッチとミカを誘おうとして――
「ヨッチ!」
よく通るその声は、しかしキヨミが発したものではなかった。
声と共にツカツカと教室に入り込んできたのは、隣のクラスの女子だった。確か、橋本といったか。下の名前は知らない。キヨミはそれほど他人興味を持たず、名前を覚えるのも苦手だった。
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