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突如発覚した事実。現実ではあり得ない光景。でも、夢だとは思えなかった。
むしろ天罰だと思った。有紗にそんなことを伝えた罰だと。
「優、くん?」
俺に気づいた有紗が震える声で俺を呼んだ。
あんなことがあった後だというのに、有紗は少しも汚れていなくて、いつもの綺麗な有紗のままだった。
「見てた?」
有紗の問いかけに俺は笑う。少しでも有紗を安心させるために。
「うん、でも大丈夫。黙ってればいい」
ああ、思い返してみれば、有紗を好きだと噂していた同級生や有紗をよく見ていた教師。みんないつの間にかいなくなっていた。そういうことだったのか。みんな、有紗の天罰によって消えていたのだろう。
もしかしたら、有紗の母親が言っていたことさえ嘘ではなかったのだろう。まあ、もうどうでもいいことだ。
「優くん、ごめん、これが隠してたこと、なの……」
「うん、分かった。俺の秘密は言えないけど、大丈夫。俺が守ってやる」
有紗のことを好きだという気持ちは一生隠していこう。そして有紗を守ろう。そう強く誓った。
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