11005人が本棚に入れています
本棚に追加
もう、答えはあった。きっと、そうなんだと。
触れた指先から移る熱も『触りたいか』そう言った彼も。『終わったら話を聞いて』そう言った彼も。過去の傷を終わらせる為に、彼は過去と向き合っていた。それが、何の為で、誰の為であるか……。
だとしたら、私はまだ彼に話さなければいけないことが、ある。それは、“誤解”ではないけれど。
話そう。あの日、俊之さんと泊まったことも。彼は聞いてくれると思うから。馬鹿な、私の話を。傷つけたのは、彼ではなく、私の方だった。あれほど沢山の人がアドバイスをくれていたのに。そして、今ならわかる。あのアドバイスの意味が。頑張るって決めた。あと、少しだけ。
全てのわだかまり、誤解、すれ違い。全てが解決したら……
解決しても、私は彼と恋人にはなれないかもしれない。彼は許してくれないかもしれない。
だとしても。だとしても、そこからは、前向きに、逃げ道ではない誰かを探せると思うから。
今年は頑張るって決めた。動くって。恋人を作るって。
最初のコメントを投稿しよう!