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「どうしたの? 」
「いや、ちょっと……あー、俺……何か今、恥ずかしい」
「そう? あれ、何て言うのだったかしら。昔……るなちゃんに聞いて……」
「何を」
「そうだ、セカンドヴァージン。そうそう。でも……私の場合は……何人かしら。えっと……英語でカウント……」
でも、何人目以降でそうなったか、じゃなくて、総称だったかしら?
「うわぁ! 言うな、言うな。もういい」
ガバッと起き上がって、彼がそう言った。
再び大きな大きなため息が吐かれた。
「あ、でも女性はそれでいいとして、男性は何て言うのかしら……」
「お願い。もう、黙って? 」
「ええ、わかったわ。最後に一つだけ……いい? 」
軽いため息の後
「どうぞ」
そう言った彼に抱きついた。
「……大好き」
耳元でそう言った。彼はまたまた固まると、今度はそのまま動かなくなった。その彼の顔を覗きこんで、そっと、口付けた。
「完敗だわ」
「何に」
「麗佳に」
そう言うと彼はいつもの……ではなく、子供のように、顔をくしゃくしゃにして笑った。
可愛い。それに……笑顔一つで、どれほど私を夢中にさせるのだろう。その彼の腕の中。
「上手く出来るかわかんないけど、頑張ります」
そう言った彼にゆっくり押し倒される。
「あ、俺……今日、泊まるからね」
……さっきその用意取りに行ったのね。やってみたかった事が、どんどん現実になる。好きな人が恋人になるということは、思ってたよりずっと……幸せで……泣けちゃうくらい。
それにしても……器用だわ、この人。
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