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──肘を枕に、彼女を見下ろす。未だゆるく微笑んだ彼女と手を繋ぐ。
「なあに? 」
そう言った彼女に軽くキスを落とす。
「もう一回? 」
……そんなつもりでもなかったけど、そんなつもりになってきたので……そのままキスを深めた。
朝起きたら、つらつらと感想とか言われそうだな~。つーっと俺の腹を指でなぞる。くすぐったくて身をよじる。
「マルバツゲーム」
「止めて下さい」
「ふふっ」
幸せそうに笑う。また指でなぞろうとする彼女の手を止めて、指を絡めた。
「ねぇ」
喋べるなよ……。
「本当に好きな人に、触れられるのって格別ね」
綺麗な顔でそう言った。まさか、最中に感想言われるとは思ってなかったけど。
「うん、そうだな」
幸せが溢れる。彼女を強く抱き締めて
「さ、集中。もう、黙って」
格別。そう言えば結城も言ってたな。初めてあいつに共感する。
これを知ると、もうどうでも良くなる。彼女さえ、麗佳さえ触れたら、それでいいとそう思う程に。
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