第54話 side reika

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まだボーッとしながらも彼は席につくと、丁寧に手を合わせた。 「頂きます」 「……どうぞ」 そっと、彼の方を見ると、目が合った。いつものように、ニッと笑う。それから 「いい朝だね」 そう言った。そう言っただけなのに、顔が熱く熱くなった。 「ご馳走様でした」 食事が終わると、また丁寧に手を合わせ彼はそう言った。洗い物をする私の真後ろに立つと 「そう言えばさぁ、この前の髪型、好き」 「そうなの? じゃあ、また……する」 「うん」 「ちょっと、向こうへ行ってくれない? 」 「あー、でも俺……今、忙しいんだ」 「何もしてないように、見えるけれど」 「触ってる」 ……うん、まぁ……そうね。早く終わらせよう。私が手を拭くのを待って手を繋ぎ、抱き合い、キスをする。 その日はほぼ、そう過ごした。違う、その日からほぼ。だった。 「今日は、どうする? 」 そう聞いた彼に 「今日は吉良くんの家に泊まりたい! 」 即答してしまった。彼氏の家。そこでもまた、色々……“してみたい” 「この服とか……ここ置いといていい? 」 服を着替えて、脱いだ方の服を指して彼が言った。また、顔が緩む。 「ええ、もちろん。洗っておくわね」 「麗佳も、用意して。何着か」 また、顔が緩む。もう、引き締まる時間がないのだろうかと、思うくらい。
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