第54話 side reika

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「あー、でもパジャマはいらないわ」 「……どうして? 」 「あれ、やりたいんだろ? 」 あれ? ああ!彼シャツ! 「……ええ」 「用意、しときます。シャツ」 そう言って、ニッと笑う。 「あー、でも……私結構大きいから、ちょうどいいサイズにならないかも」 「あのねぇ、一応15か20センチくらいは差あるからね。横幅も全然違うし」 「そうなの? ……大きいのね」 「ああ、この前測ったら、またちょっと伸びてたんだよね」 「ええ!? まだ成長期なの? 」 「なー、どうなんだろ」 「そんな風に髪を遊ばせてるから、その分じゃないの? 」 ……あら?固まった。何か地雷だったのかしら。 「遊ばせて、ねーわ」 「遊んでる事、気にしてた? ごめん」 笑って言うと 「あのねぇ……」 「ふふ、可愛い」 思わず言ってしまって、“可愛い”に彼が眉を寄せた。 「格好いいって言ってくれる? 」 思わず、吹き出した。そんなところも、可愛いのだけれど。 「あ! 月曜は一緒に出勤するかぁ。その準備も」 「あ、そうね」 「オフィスラブも……やってみたいのに入ってた? 」 一番最後の彼は…… 「したことある」 「……え? 」 「一緒に出勤」 言ってから……まずかったと思った。特に、彼には。 「……ああ、そっか」 「あのビル……」 「あのビル!? ちょっと、待て。あそこにいんの? 元彼」 「いた……」 「辞めた人……って事……」 「あなたの入ってくる、ずっと前よ」 「……そっか」 「3階に居たときの話」 「3階? 」 「私、3階にいたのよ。知らなかった? 」 「別会社……? 」 「そ。そこから声を掛けてもらって、今」 「ふーん」 「ごめんなさい。気にした? 」 「いーえ、そんな小さな男では……ありません」 そう言って笑うと 「大事なのは、今。ですからね」 そうは言っても、たぶん気にしてるんだろうなぁ……っていう、キスをされた。
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