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「あー、でもパジャマはいらないわ」
「……どうして? 」
「あれ、やりたいんだろ? 」
あれ? ああ!彼シャツ!
「……ええ」
「用意、しときます。シャツ」
そう言って、ニッと笑う。
「あー、でも……私結構大きいから、ちょうどいいサイズにならないかも」
「あのねぇ、一応15か20センチくらいは差あるからね。横幅も全然違うし」
「そうなの? ……大きいのね」
「ああ、この前測ったら、またちょっと伸びてたんだよね」
「ええ!? まだ成長期なの? 」
「なー、どうなんだろ」
「そんな風に髪を遊ばせてるから、その分じゃないの? 」
……あら?固まった。何か地雷だったのかしら。
「遊ばせて、ねーわ」
「遊んでる事、気にしてた? ごめん」
笑って言うと
「あのねぇ……」
「ふふ、可愛い」
思わず言ってしまって、“可愛い”に彼が眉を寄せた。
「格好いいって言ってくれる? 」
思わず、吹き出した。そんなところも、可愛いのだけれど。
「あ! 月曜は一緒に出勤するかぁ。その準備も」
「あ、そうね」
「オフィスラブも……やってみたいのに入ってた? 」
一番最後の彼は……
「したことある」
「……え? 」
「一緒に出勤」
言ってから……まずかったと思った。特に、彼には。
「……ああ、そっか」
「あのビル……」
「あのビル!? ちょっと、待て。あそこにいんの? 元彼」
「いた……」
「辞めた人……って事……」
「あなたの入ってくる、ずっと前よ」
「……そっか」
「3階に居たときの話」
「3階? 」
「私、3階にいたのよ。知らなかった? 」
「別会社……? 」
「そ。そこから声を掛けてもらって、今」
「ふーん」
「ごめんなさい。気にした? 」
「いーえ、そんな小さな男では……ありません」
そう言って笑うと
「大事なのは、今。ですからね」
そうは言っても、たぶん気にしてるんだろうなぁ……っていう、キスをされた。
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