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その週、久しぶりに男3人で昼飯に行った。
「お前、幸せそうだな」
座るやいなや、大友がもう一人の男にそう言った。
「……そうだな」
それを、抑揚なく答える。
「一緒に住んでるからねぇ」
ニヤッと笑ってそう言った。
「ああ、やっぱり? 」
大して驚かずに、そう言った大友。こいつは妙に鋭い。
「……」
「出てる。色々」
この、AIから何が出てるんだろう。そうか
「薔薇色? 」
そう茶化した。
「……良かったな。でも」
大友が穏やかに言う。
「ああ。そのうち、いい報告が出来ると思う」
……結婚ってことか?
「元々すんだろ? 」
「まあ、そうだな」
「俺もするかなぁ」
そう言った大友の顔を二人で見た。え?
「誰と」
「彼女」
いんのかよ、それほどの彼女が。
「まぁ、そうだわな。で、どんな? 」
「……」
あれ……か?
「……結婚……してたって言ってなかったか?
」
「まぁ、ちょっと……色々あって」
「薔薇色? 」
珍しく、結城が言った。
「はいはい」
大友は、サラッと流す。こいつ、ほんとに自分のことは喋りもしないし、出さないんだよな。
「飲みに行くか? 久しぶりに」
ランチじゃ足りねぇな。面白そうだ。
「だな。お前の話も聞きたい」
んで、鋭い。
「あー……」
「薔薇色? 」
またしても結城。
「お前……何か変わったな」
そう言うと、目だけで返事した。
「お前もだろ」
大友にそう言われ、まぁそうか。
「もういっそ、みんなで飲みに行くかー」
いつかみたいな提案に
「彼女、今飲めない」
……ああ、佳子ちゃん、まだギプス。
「こっちは、元々飲めない」
飲ませたく、ないしな。笑って言った。
「オフィスラブ推奨なだけ、あるよね。うちの会社」
「へ? 推奨してんの? 」
「ああ、社長が社長だからね……」
「……確かに」
社長が、社長だ。奥さんが社内にいる。
「とりあえず、部全員では佳子ちゃんの快復待って5月くらいにすっか」
「だな」
今日は一気に気温の上がった暖かい日だった。
「……仕事したくなくなる陽気だな」
大友の意見に賛同しながらも、オフィスへ戻った。
廊下を歩く、佳子ちゃんを見つけると追い付く結城。そんな二人を俺達は追い抜いた。
……何だ、あいつ。全く気にしてないな。オープンだねぇ。
顔が無表情で、笑ってるよ。
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