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「考えたんだけど……」
「うん?」
「プロポーズ……どのタイミングか」
「もう、して貰ったわよ」
「だけど、やっぱり夢はあるだろうなって。“やってみたい”そんな塊だろ?」
「あなたが、いればって」
「うん。“サプライズ”“お姫様抱っこ”“いい店で夜景を見て”“薔薇の花束”“指輪”思い付く事は全部考えてはみたけど。あ、勿論してもいいんだけど……どのみち……」
「“本当、軽いわね”」
「うん、そう言うだろ?」
彼は優しく笑った。私の背に手を回し、引き寄せながら言った。
「ずっと…俺のintimatespaceにいて貰えませんか?」
「ええ、そのつもり」
「麗佳も、俺だけだって……言って」
「ええ、そのつもり」
「言って」
「あなた、だけ」
「一生?」
「ええ」
優しく重なる唇は……何より……伝えてくれた。私が特別な事を。
「私、あそこの神社がいいな」
「あー、うん。俺もそう思った。場所的にも丁度いい。麗佳が必死に祈ってた……あそこ、ね」
イタズラっぽく笑う彼に、叩く真似をした。私のその振り上げた手を彼が繋ぐ。
「何て、祈ったんだよ」
「この思いが……伝わりますように」
そんな願いを叶えて貰えた場所で、彼と並ぶ事が出来るならもう、何も……。
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