番外編その3

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「考えたんだけど……」 「うん?」 「プロポーズ……どのタイミングか」 「もう、して貰ったわよ」 「だけど、やっぱり夢はあるだろうなって。“やってみたい”そんな塊だろ?」 「あなたが、いればって」 「うん。“サプライズ”“お姫様抱っこ”“いい店で夜景を見て”“薔薇の花束”“指輪”思い付く事は全部考えてはみたけど。あ、勿論してもいいんだけど……どのみち……」 「“本当、軽いわね”」 「うん、そう言うだろ?」 彼は優しく笑った。私の背に手を回し、引き寄せながら言った。 「ずっと…俺のintimatespace(ここ)にいて貰えませんか?」 「ええ、そのつもり」 「麗佳も、俺だけだって……言って」 「ええ、そのつもり」 「言って」 「あなた、だけ」 「一生?」 「ええ」 優しく重なる唇は……何より……伝えてくれた。私が特別な事を。 「私、あそこの神社がいいな」 「あー、うん。俺もそう思った。場所的にも丁度いい。麗佳が必死に祈ってた……あそこ、ね」 イタズラっぽく笑う彼に、叩く真似をした。私のその振り上げた手を彼が繋ぐ。 「何て、祈ったんだよ」 「この思いが……伝わりますように」 そんな願いを叶えて貰えた場所で、彼と並ぶ事が出来るならもう、何も……。
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