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第2話 side kira
──大学時代──
幾つか籍を置いてるサークルの一つから、卒業も近くなって、もうキャンパスに集まる事もない。最後に4年生だけで集まろう。そんな名目で集合がかかった。
とはいえ、今までのサークル活動ではなく飲み食いして、今までの思い出とか、就職先だとか、だらだらしゃべってただけだった。
これから先の不安を含む、希望に満ちた未来と……名残惜しいこのキャンパスライフに。
そのサークルは、在籍人数はそこそこだが、行きたい時に行きたい奴が参加してた。元々、綺麗な景色だとか写真や絵を描いたり
そんなアースティックというか……まあ爺さん婆さんみたいな趣味のサークル。よくある大学生の出逢いや、遊び目的のチャラい感じではなかった。
そのせいか、全体的に落ち着いた奴が多かった。それが心地好く、気の合う奴も多く、今でも付き合いがある。──梓のあれ以降、つまり3年は会っていないが、連絡は取ってた──
その最後の集まりで、同じ学年だったと知った。見覚えがある程度。それが梓だった。いつも、もう一人の女の子と二人でいた。
──数日後、幾つかの証明書を取りに大学へと向かった。郵送でも取得できるが、近いし、今後行く機会もないのならと、足を運んだ。
キャンパスのベンチの後ろを歩く。そこに座る姿。カメラのデータを確認してるのか。
通り過ぎる時に、梓だと気づいて声を掛けた。
「ねぇ、それ……この前の? 」
声を掛けられて驚いたのか、それとも俺の面識がなかったのか、そんな風に思った。
「あ、ごめん。……俺、同じサークルなんだよ。今更だけど」
そう言うと、目を見開いて立ち上がった。
「し、知ってるよ! もちろん! 」
「……声……デカ……」
「あ、ごごめん。だって、私の事……」
「知ってるよ。梓。だよね? 苗字知らない。教えて? 」
「萩原」
「OK、梓、俺証明書貰ってくるから待ってて。あとでその写真……見せて? 」
そう言って、しばらくして、また梓のいるベンチに戻った。
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