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第14話 side yu
「名古屋ってどんな所なのかな……」
「んー……ああ、別にこっちとさほど変わらないさ」
「行ったことあるの?」
「ああ、仕事でしょっちゅうね、それから友人もいる」
「大友くん、友達多いよね」
「そうかもね」
「名古屋、近くないよ」
「……そうか?国内だし。九州のが遠いわ」
「九州にも、取引先があるのね」
「そうだな。そこにも知り合いがいるから、結構詳しいわ、俺……」
彼女と何気ない会話。
ふと、朋子の事を思い出した。“幼なじみ”なんて、わざわざ言う必要もなく、“知り合い”と表現した。
「ねぇ、年末年始のお休みは?」
「カレンダー通りって感じだな」
「……何してるの?」
「毎年、幼なじみの家族と初詣~」
あ、結局“幼なじみ”って言ってしまったな。ま、いいか。
「……毎年?」
「ああ」
「それって……女性?」
「……ああ、そうだよ」
……彼女の怪訝な顔に、多分それはどういう関係か、疑問に思っているんだろう。
もしくは……年末年始は“自分”を優先しろってとこ……か。
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