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そんなある日の事だった。
男ばっかで適当に喋ってた。一人のヤツが誰が可愛いとかそんなん言い出して、これまた適当に相槌を打ってた。
「ほら、お前の幼なじみ。和田さんだっけ、俺結構イケる」
そのうちの一人がそう言った。は?朋子?
「あ、分かるわ、それ」
分かる?多分、最初に朋子を“女”だと意識したのはこの時だと思う。
朋子を前にして、ではなく、誰かを通して“女”だと認識した。
俺が朋子を“女”だと認識していないくても、朋子を“女”だと認識する男がいることに、ショックを受けたのを覚えてる。
慌てて言った。
「は? そんな可愛くもねぇだろ」
これは、日本人独特の身内に大しての謙遜のように取られたが、そうではなく、何だ、自分でも分からないが、その男達の視線を朋子から逸らせたい感覚。
「なんつーか、雰囲気? 何かいいよな」
「あー、そうそう」
「何だそれ、俺は巨乳希望~」
適当にジョーク混じりの下品な話ですり替えた。
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