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「よう!」
家に帰ると、叔父が娘を連れて家に来ていた。
「お、仁さん何? 仕事休み?」
「ちょっとな、俺の方が暇なもんで」
「なるほどね」
「高校楽しいか?」
「あー……まぁ、ね」
「彼女は?」
「……いる」
「へぇ、朋ちゃん?」
「は? ちげぇし」
冷蔵庫から出したお茶を飲み干すと、再び仁さんと目が合う。物言いたげな目に
「何だよ」
「いや、まだか…… って思っただけだ」
それに俺は眉を上げるだけで返事した。“あり得ねぇ”と。
仁さんは朋子を気に入っていて、何かと朋子をすすめてくる。確かに、仁さんが朋子を気に入るのは分かる気がする。
朋子はどことなく仁さんの奥さんの綾さんに似ている。俺じゃなくて、仁さんの好みだろ……全く。
自室へ入ると制服を脱ぎ、再び仁さんのいるリビングへと戻った。
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