第2話 side yu

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可愛(かえ)は裕には懐いてんだよなー」 仁さんの言葉に母親が 「裕は仁に似てるからじゃない?」と、返す。 「……パパだよー」 ふざけて、抱き上げた従妹はちっちゃいながらももうすっかり女の子だ。 「パパの方が格好いいよなぁ」 仁さんが大人げなく俺の手から可愛を取り返した。 「仁! もう、メロメロね」 「天使だと思ってる」 仁さんが真顔でそう言った。 「そりゃあ、可愛いから可愛(かえ)ってつけたんだろ」 からかいで言ったのに。 「そうなんだ、裕、分かるか?」 仁さんは大真面目だ。 「綾さんが冷静で良かったよ」 「そ、あんたたちの父親も、愛にはそんなんだったわよ」 兄貴、俺と男が続き、3人目に産まれた妹は(love)だもんな。 「なぁ、大友家はみんな女が強いぞ」 仁さんがこそっとそう言った。 「仁、聞こえてるわよ?」 母親が仁さんを睨む 「綾さんも?」 「そ、怖えぇ。でも、いいぞ、しっかりしてる女が」 「ふーん、覚えとく」 「ああ、だからまだかなーって……」 仁さんがニッと笑う。朋子はそんなんじゃねぇっての。今度は大袈裟なジェスチャーで“あり得ねぇ”と伝えた。
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