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第3話 side yu
3つ上の兄貴は高校から留学する事を決めた。そのまま大学もイギリスだ。俺も高校卒業後はそうするつもりだった。
兄貴には無かったのか“トラウマ”が。それとも俺が気にし過ぎなのか。
兄貴とは性格も全然違う。兄貴には、国外の方が向いてるのか。
俺が日本の高校を選んだのは……
「裕!」
「おお」
家から出てきた朋子と登校する。特にお互い避けたりはしない。避ける理由もないし、な。
「今日寒いねぇ」
「はぁ、そっかぁ?」
「はは、裕はデカイし体温高そうだもんね」
「デカイの関係あるか?」
確かに体温は高めだ。朋子が寒そうに身を縮めた。俺もマフラーないし、貸してやれねぇし、肩を組むのも違うしな。そうぼんやり考えていた。
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