第3話 side yu

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「ナイわ、バーカ。まだ言うヤツにびっくりするわ」 「はは、何だ、じゃあいいや」 含ませた言い方に 「何だよ?」 そう聞くと、別のヤツが答えた。 「こいつ、結構マジで和田さん気に入ってたんだよ、な?」 「あー、言うかぁ!? ま、いいや、振られたし」 「……振られた?」 告ったって事か?その事に、胸がざわついた。だけど、振られたって事にはホッとした。何だか(うち)っかわが忙しいわ。 「……彼氏、いるんだってよ」 「は!?」 思わず、立ち上がってしまい、目の前の二人がのけ反る様に、俺を見上げた。驚く目に、少しばかり落ち着きを取り戻して椅子に座り直した。 「何だよ、知らなかったのか?」 「案外、仲良くないのか?」 「いや、仲いいし……」 初めて、“仲がいい”なんて肯定したが、そうでも無かったのかもしれない。 「結構、長いみたいだな。そんな浮かれたタイプでもないし……気づかなかったな」 「隠してもないだろ」 「ああ、どっちも落ち着いた感じだもんな」 “どっちも”片方は当然、朋子でもう、片方は……誰だ。結構、長い……。 へぇ、でも……俺よりは“付き合い”が短いだろう。相手が誰か、興味はない。知りたいとも思わない。 さっきから、変わらず、内っかわがうるさかった。
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