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俺の教室の前の廊下を、朋子のクラスの生徒がパラパラと通りすぎる。俺に気付いた朋子が、いつもよりは控え目の変顔で通りすぎた。
「はは! お前とだと、あんなん? 和田さん」
「あー、そう、だな」
普段はもっと……ひでぇ顔。
何も変わらない。俺達は。それが、気に入ってた。だけど、変わりたくなくても、変わるもんだ。小学生とは違う。
変わらない事が、宝物だった出会った頃はもう、過ぎ去った。
「アキ子って呼んだらめちゃめちゃ怒られるぞ」
どうでもいい情報をひとつ、溢した。
「和田、だけにね」
「小学生かよ!」
「小学生、だったんだよ」
確かに、小学生だったんだ。あの頃は。
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