第4話 side yu

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不安定な自分の気持ちに……触れた方の俺が慌てて手をどけた。 「俺も、行こうかな、九州」 「うん、そうだね。美味しいお店とか、探しておくね。みんなで、来て」 『みんなで』 そう言った、朋子にふと思い出した。“彼氏”いるんだっけか、コイツ。九州行ったらどうすんだ? 「裕、彼女どうなってるの?」 「ああ、ちょっと前に別れた」 「イギリス行くから?」 「いや、関係ない」 「えぇ、ほんと、早いね。スパンもね」 …………驚いた。俺に“彼女”がいたことも そんなに続かず、それを何回か繰り返した事も、朋子は知ってるのか。朋子には話した事はないというのに。 それに驚いたせいで、聞きそびれた。質問された時に、質問を返せばいいだけなのに 『お前、彼氏は?』 それが、聞けなかった。 代わりに 「ほら、俺は“みんなの裕くん”だからさ」 朋子が知ってたばつの悪さに、ふざけてそう返した。
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