6119人が本棚に入れています
本棚に追加
「卒業したら、仁さんとこ行くとは思うけど、その前にワンクッション置くかもしんねぇし……」
「うん、そっか」
「お前だって、卒業したらこっち帰ってくんのか?」
「……ほんとだね、決めてないわ」
「はは! なんだ、それ」
「向こうが気に入っちゃって永住するかもしれないじゃない」
「ん、だな」
ん?朋子が、だよな?
「なんだぁ、その顔、毎日Skypeしてやろうか?」
寂しそうにする朋子の顔にそう言った。
「変わっていくのが、寂しかっただけ。センチメンタル!」
「帰った時は連絡する」
「うん、私も。さ、下、降りよう。主役がこんなとこにいたら駄目だね」
立ち上がった俺の背中を朋子が押した。それから一言
「デカ……」
なんて言うから、振り返って高い位置からのチョップの刑。
最初のコメントを投稿しよう!