第4話 side yu

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「卒業したら、仁さんとこ行くとは思うけど、その前にワンクッション置くかもしんねぇし……」 「うん、そっか」 「お前だって、卒業したらこっち帰ってくんのか?」 「……ほんとだね、決めてないわ」 「はは! なんだ、それ」 「向こうが気に入っちゃって永住するかもしれないじゃない」 「ん、だな」 ん?朋子が、だよな? 「なんだぁ、その顔、毎日Skypeしてやろうか?」 寂しそうにする朋子の顔にそう言った。 「変わっていくのが、寂しかっただけ。センチメンタル!」 「帰った時は連絡する」 「うん、私も。さ、下、降りよう。主役がこんなとこにいたら駄目だね」 立ち上がった俺の背中を朋子が押した。それから一言 「デカ……」 なんて言うから、振り返って高い位置からのチョップの刑。
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