第57話 side yu

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──── 「可愛いな、お前」 思わず口に出てしまい 「大友さん、セクハラ! 」 と、間髪入れずにるなちゃんにつっこまれる。 「あー、すまん」 言われた本人は気にせずににこっと笑うと 「よく言われます」そう言った。 新入社員より一足先に営業部に配属された 横浜徳文(のりふみ)は年齢はるなちゃんの一つ下。るなちゃんも、横浜も童顔だから、何が何だか分からんけれど、可愛い顔をしていた。 けど、結構…… 「なんですか? 可愛いだけじゃありませんよ、僕」 そう言って、にこーっと笑う。 「うん、そっか」 掘り下げずに行こう。 「横浜は昼から、俺と同行ね」 「はあい」 「返事は“はい!”」 と、るなちゃんが横浜に直ぐ様注意した。 「羨ましいわね、全く」 などと謎の一人言を言いながら。 「相原さん、デスクまわり、意外に汚いですね」 と横浜に言われて、焦ってる。 「るなちゃんの女子力は見た目だけなのよー」 と、佳子ちゃんが横浜に説明して、るなちゃんが佳子ちゃんを睨む。 「佳子さんだって、家汚いでしょ、ねえ結城さん! 」 「……」 「そ、そんな事ない! 最近は、あっ、最近じゃない、元々汚くないしっ! てか、家はいいでしょ!? って、汚くないけど、私は会社では綺麗にしてるし! あ、家も綺麗だけどっ! 」 佳子ちゃん、何言ってるか分かんねぇ。多分、佳子ちゃんは家は汚いが会社では綺麗に整頓するタイプ。るなちゃんは、どちらも汚いタイプ?ってことか。
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