第1話 side yu

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とにかく、朋子とは、あっという間に仲良くなって、家が近いこともあって毎日の様に会ってた。習い事も一緒で、真面目な朋子は時間通りに誘いに来た。 習い事の無い日はだいたいが、携帯型ゲーム機で通信してのバトル。ソファに寝っ転がったり、床に寝そべったり。お互いの背中に体重を預けたりしながら。 時々はうちの妹に朋子を取られ、仕方なく3人で遊んだり、向こうの姉ちゃんとこっちの兄ちゃんも混じって、当たり前みたいに毎日を一緒に過ごしていた。 俺達に取って、変わらないのは家族だけだった。そこに朋子の家族も加わった。特に同い年の朋子は、同じ様に学年が上がるわけで……それが居心地が良かった。家族のように、別れなくていい、毎日会えるような友達。 今思えば、それが嬉しくて仕方がなかったんだと思う。たまたま……男女だった。それだけの事……だ。だいたい、女でバトルゲームする奴は珍しかったし、強かったし、女だなんて、思ってなかった。 朋子は、朋子だ。
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